電通大の看板とかロゴタイプとかについてぐだぐだ
UEC Advent Calendar 2013、17日目の記事は、誕生日まで一ヶ月マンことid:kiyookaがお送りしますこんにちは。Adventarに登録した時点ではこの記事を書いている頃には卒研の実装終わっているだろうと思っていたのですけど、全くもって進捗がないことに我ながら驚いていますこんにちは。死ぬしかないですこんにちは。
今回の記事は、ぼくが今年度で卒業する*1こととなる電気通信大学の看板とかロゴタイプとかについての記事です。
電通大の看板?
電通大の看板、と聞いて思い浮かべる看板にはどんなものがあるでしょうか。ぼくが思い浮かべる看板というと、以下の五つがあります。
調布駅から通学する学生にとって、一番目にする機会の多い看板ですね。入学手続きの時はこの看板にお世話になりました。夜は怪しく光っていてとても弊学っぽさがあります。
講堂の甲州街道沿いの壁についてる看板。 |
すごい目立ちそうな位置にあるのに、あんまり目立たないんですよねこれ。入学して数ヶ月してから気付きました。
正門の表札っぽい看板。もしくは表札? |
メディア関係で電通大が紹介される時は、この看板が多いと思います。ほかの看板に比べて電気通信大学の文字が目立ってないんですけれど。
甲州街道と鶴川街道の交差点に掲げられている看板。 |
案内のためというよりも宣伝のためっぽさのある看板です。コミュニケーションマーク付き。
調布駅に掲げられている看板。 |
上の看板に似てますね。この写真を撮るためだけに調布布田間の電車に乗りました。120円。
電通大のロゴタイプ
看板については、以上五つの看板を挙げましたが、電通大のウェブサイト上や広報資料*2などでは、統一されたロゴタイプが用いられています。
AWSの導入事例: 国立大学法人 電気通信大学より引用。 |
一目見て、上記四つ目や五つ目の看板と似ているということがわかりますよね。しかしながら、よく見比べてみると、いくらかの違いがあることに気付くと思います。たとえば、はねやはらいなど一部のエレメント*3が簡略化されていたり、くにがまえなどの縦画が下に飛び抜けている部分がなくなっていたり、起筆や終筆*4が水平もしくは鉛直に変わっていたり、よくよく見ると看板の文字にはあった角立て*5が消えていたり。
この看板やロゴタイプにおいて使われているフォントは、モリサワのフォークなのですが、看板にはモリサワのフォントそのままを打ち込んだもの、サイト上などのロゴについてはそれを改変したものが使われているようなのです。
日本語部分はフォーク、コミュニケーションマーク部分はAdobe Caslon Proだと思う。 |
サイト上などのロゴにおいて以上のように改変されているのは、おそらくUD書体*6っぽくしているのだと思います。UD書体が本格的に活用され始めたのは2009年ごろからなのですが、このロゴタイプが制作されたのは2009年末以降のようなので、流行に沿っていますし。さらには、シンプルな書体にすることによって、近代的に、そして親しみやすく見えるような効果を狙っているのかもです。
では、なぜ上記四つ目や五つ目の看板では、フォークの書体そのままを使っているのでしょうか。遠くからでも見えやすいようにしたい看板こそ、UD書体を用いるべきではないのでしょうか。わざわざフォークを改変してロゴタイプを作ったのに、なぜ改変していない書体と改変されたロゴタイプとを使い分けているのでしょうか。ここでは現行のロゴタイプが二種類あることの仮説として、以下を挙げたいと思います。
ロゴタイプの変遷とか
では、上記仮説の検証のため、追える範囲でロゴタイプの変遷を追ってみたいと思います。大体はロゴタイプと言うよりもタイトル画像ですけれど。
97年の日本語版ウェブサイトにあったロゴ。 |
こっちは英語版。 |
ネット上で追える範囲での電気通信大学ウェブサイト*7、最古の痕跡*8は97年のものでした。この時代において表示されていたロゴ画像は、ある特定のロゴタイプを表示する目的と言うよりも、目を引くような、目立つような装飾を加えるためのタイトル画像といった感じです。時代が感じられます。
98年から99年の。 |
00年。12/31にインパク開幕!!! |
01年から03年。 |
98年には隷書体に変わります。大学のロゴタイプにおいては隷書体が結構多いイメージ*9がありますが、伝統的で重厚的なふいんき(ry)が出せることがその理由でしょうか。上記三つ目の看板も隷書体ですので、その看板もおそらくこの頃に作られたものでしょう。
このころのロゴにおいて、どのフォントを使っているのかというのは断言できませんが、98年から03年までのサイト上ではDFP風雲体がよく使われていましたので、DFP隷書体ではないかと思います。
04年には丸ゴシックに。平成丸ゴかなあ? |
04年途中から07年までは角ゴシック。 |
08年、明朝体。 |
09年は角ゴシック。 |
04年から09年にかけてのフォントはあまり自信がありません。前年までのフォントの使い方から、04年前半の丸ゴが平成丸ゴと予想できるくらいです。また08年以降、大学の文書にモリサワフォントが使用されることが増えてきたので、08年以降はモリサワなのかもしれません。
2010年8月27日のニュースリリースより。現在と同じ、改変版ロゴタイプ。 |
そして現在のロゴです。2010年1月19日のニュースリリースでは校章のみが用いられていますが、2010年8月27日のニュースリリースでは今と変わらないロゴタイプとなっています。そしてそれ以降のニュースリリースでは、現在と同じロゴタイプがずっと使用されています。
正確に何月何日にこのロゴタイプが制作されたのかは分かりませんが、おそらく、コミュニケーションマークの制定と同時期に制作されたのでしょう。このロゴタイプを今まで見てきた中では、すべてコミュニケーションマークと一緒に使われています。
なおこのロゴタイプ、電通大学内からですとコミュニケーションマークデータ集よりダウンロードすることが出来ます。対外発表の機会があれば積極的に使っていきたいところです。機会ないですけど。
で、なんで使い分けられてるのさ?
さて、上記4つの仮説についてそろそろ考えてみましょう。
まず一つ目、「改変版ロゴタイプの制作が間に合わなかった」についてですが、鶴川街道の看板はともかくとして、調布駅の看板は調布駅の地下化が完了した2012年以降に付けられているはずなので、却下。
二つ目、「解像度の問題」についてですが、コミュニケーションマークデータ集のページに掲載されているロゴタイプは、ベクタ画像となっています。それを考えると解像度が足りないなんてなさそうなので、却下。
三つ目、「ライセンスの問題」ですけれど、大丈夫そう*10なので却下。新聞広告に載せている以上、看板に使っちゃダメとかはなさそうですしね。
はい、消去法により結論は「なんとなく」です。いやさすがに、本気でなんとなくなのだとは思っていませんが、それ以外に考えつかないのです。なんとなく以外なく、なんと泣く泣くなんとなくなのです。
そんなわけなので、現行ロゴタイプが二種類ある理由につきましては、今後の課題とさせて頂きます。広報さんとかに聞けば分かるのかなあ……。
蛇足
このまま終わっても得られるものがないので、蛇足っちゃいます。電通の看板で遊ぼう!!!1
MSゴシックのある電通大。 |
MSゴシックのある電通大、そのに。 |
マコちゃんかわいいよね。 |
ここが神田だ。 |
はい、というわけでgdgdになりましたが、UEC Advent Calendar 17日目の記事でした。卒研の実装は明日から頑張ります。
*1:卒研おわれば
*2:たとえばid:masawadaさんがpostしてた 朝日新聞全面広告とか
*3:漢字を構成する部品のこと。縦画や横画、点やはらい、はねなどがある。
*4:文字の一画を書く時の、それぞれ書き始めの部分と書き終わりの部分。
*5:縦画の起筆におけるアクセント。看板の画像でわかりやすいのは「大」の縦画かなぁ。
*6:略さずに言うとユニバーサルデザイン書体のことで、読みやすくて判別しやすいフォント。ここの説明がわかりやすいかも。
*7:電通大のウェブサイトは大学のウェブサイトとして日本最初となる1992年3月に産声を上げ、以降幾度ものリニューアルと運営母体の改組を経て現在の形になるわけですが、それを書いていると別の記事になるので割愛。だれか書いて。
*8:web archiveより。
*9:思いついたところだと、大東文化大学とか、駒澤大学とか、あと中央大学とか。
*10:モリサワフォントを使用(改変を含む)して社名、ブランド名、商品名を表すロゴ、マーク等を作成することは問題ありません - 商業利用について | フォント製品 | 製品/ソリューション | 株式会社モリサワ