9月って……もうあったこと忘れてるよ……

しまなみ海道というのは素晴らしいものですね。いやマジで。
去年三月ごろに原付で尾道とか三原のあたりに行ったときにもしまなみ海道は通ったのだけれど、残念ながら通ったときには夜だったり雨が降ったりで景色を楽しむことができなかった。折角LX3を買った直後だったにも関わらず写真を撮る時間も取れず、とにかく残念な結果に終わってしまった。尾道ラーメンは美味しかったけれど。
今回、そのリベンジも兼ねて原付で旅行することにした。とりあえず目的地は九州である。なんとなく。


出発は9月5日。福岡あたりに台風が来るかもしれないとのことで心配ではあったが、天気予報によると「まぁ逸れるでしょ、大丈夫大丈夫」とのことだったので、半ば勢いでの出発。
国道33号線高知市街を抜けて、伊野のあたりの交差点で194号線に。このまま寒風山トンネルで愛媛県に入って西条まで行くつもりだったのだけれど、問題は燃料。田舎のガソリンスタンドというものは大抵日曜が定休日なのである。分かっては居たのだけれど、まあ大丈夫だろ−、と楽観視していた。
燃料計の表示はほぼ底で、さらに急な登り道。これはもう歩いてスクーターを押していくしかないかと思っていたが、なんとか寒風山トンネルまでたどり着く。
なんとか寒風山トンネルを抜けるとそこからはひたすら下り坂。四国山地に感謝の念を抱きつつ、エンジンを掛けず位置エネルギーのみで前に進むという省エネ走行法を発揮し、苦難の末に国道11号線まで出る。11号線をしばらく行くとついに第一ガソリンスタンド発見、どうにか事無きを得た。もう泣くかと思った。

そこからは国道196号線を北上し、しまなみ海道を目指す。途中迷ったりはしながらも来島海峡大橋に到着。晴れた日中にしまなみ海道を原付で渡るのは、なんだかんだ言ってはじめてのこと。もう景色が素晴らしいのよ。写真じゃなかなか伝わらないけれどこの開放感! 正直高知でも味わえるものではあるが、高知のものとは微妙に違う潮の香りが新鮮でマジ素敵。超素敵。

来島海峡大橋って語感も素敵

瀬戸内海と太平洋は違うよ!

そしてしまなみ海道から尾道へ。前回しまなみ海道を通った際には使わなかった、向島から尾道に行ける渡船に乗って本州上陸。この時点で午後4時くらいにはなっていて急いでいたのだけれど、とりあえず尾道ラーメンを食べ、一通り観光。前回は雨がかなり降っていて観光どころではなく、後悔していたその想いを発散できた。

「つたふじ」というところのラーメン。結構並んでて時間が……

でもあまりいい構図で撮れなくてそこは残念。

尾道を出発したのは午後5時すぎ。ここからは国道2号線をずっと西に向かうだけの単調なルート。ずっと山中のバイパスだから景色もそれほど良くはないし、原付では流れに乗れないしかなり辛い。広島に近づいてくると2号線は自動車専用道路になり、原付は別ルートを取らなければ行けなかったのだけれどそこで迷ってしまい、かなり時間のロスになってしまった。原付は楽しいが、こういうところは面倒くさいものである。

結局広島に到着したのが午後8時をかなりまわったころ。福岡での宿を予約してある関係で先を急ぐ旅なので特に観光などはせず、街を一周して晩ご飯にすることにした。

この日の晩ご飯はやはり広島だと言うことでお好み焼き。小学校の頃に行った時以来のお好み村で適当に空いてそうな店を探し、晩ご飯にした。

あんまり関係ないけどもんじゃ焼きを食べたことがない。

そしてさらに2号線を西進。予定では宮島を観光するつもりだったのだけど、時既に遅し。真っ暗でなーんにも見えない。フェリーも終了しているようだったので、もう宮島は諦めて西進、岩国のあたりで一日目は休むことにした。

宮島。たぶん。

とりあえずお金がない、ということで野宿。数時間後に起きて眠気は無くなったのだけれど、空は未だ暗く、街灯も少ないしそのまま進むのは怖い、との判断によりネットカフェへ。ネットカフェで数時間を過ごすと空は明るくなっており、意気揚々と出発した。最初からネットカフェに泊まっておけば良かったかと思ったが、そんなことはなかったぜ!

そして二日目。天気予報によると福岡に台風が近づいていたが、見なかったことにして下関方面へ向かう。そのまま2号線に乗っていくつもりだったのだけれど、2号線は途中で自動車専用道路に変わり、側道はかなりめんどくさいものだったので迷った末に190号線に乗り、宇部や小野田を経由して下関に向かうことにした。途中豪雨に見舞われて服が濡れるも、しばらく待って小雨になってからさらに下関方面に進むといつのまにか晴れ間も見え、服も乾く。ほぼ快晴の状態で見た宇部の道路や工場はかなり惹かれるものがありましたね、かなり。

途中錦帯橋も見に行ったけれど、通行料が高かったので見ただけ。

そして2号線に戻り下関へ。トンネルが工事中だったのでフェリーで九州に渡るつもりだったのだけれど、台風によって運休になってるかもしれないと思い電話してみると、普通にやってるとのこと。すごい風なのに意外と大丈夫なんだなぁ、と感心しつつフェリー乗り場へ。道中では雨はあまり降らなかったものの、風が強くて原付が転けそうになって本当に怖かった。しばらく走り続けフェリー乗り場に着くと、朝も昼も食べてないことに気づきなにか食べようと食堂へ。なんとなくカツ丼を食べ、フェリーに乗った。

下関方面から関門海峡を望む。すごい風だった。

関門フェリーで九州に!

そして九州上陸。感慨に浸っている間もなく国道3号線に向かい、博多方面を目指す。しばらくは順調に進んでいたものの、岡垣バイパスのあたりで片側一車線の路肩も殆ど無い道に来てしまい、後ろのトラックからかなり煽られる。まぁ遅いのは申し訳ないとしか言えないが、こっちは原付だしリミッターもついてるしスピードは出せないので勘弁して欲しい。ほんとに。

そして宿に到着したのは夕方五時頃。三千円程度とキャビンホテルにしてはすこし高めではあったが、温泉が素敵だったので満足。早速温泉に入り、ここまで二日間の汗を流す。丁度福岡にいた友人に電話をするも出てくれないので、着替えてぶらぶらと博多の町を観光、さしあたって晩ご飯には博多ラーメン。会計するため財布を出してみると、妙に持ち金が少ないことに気づく。そういえばホテルの会計で諭吉さんを渡し、お釣りを貰っていないことに気づく。急いでホテルに戻り、受付の人に訳を話すと「監視カメラをチェックしたところ確かに釣りを渡していないのが写っていた」ということで、今更なお釣りを受け取る。安心して再び街を散策し、しばらくして帰ろうとすると例の友人から電話が。多少道に迷いつつも待ち合わせ場所のゲーセンに向かい、なんとか合流。jubeatをした以外に何をしたかは覚えていないが、みんなで天神のあたりをぶらぶらと散策して宿に戻った気がする。そして温泉でゆっくりして寝たのだと思う。たぶん。

中州の屋台で何か食べようかとも思ったのだけれど、場の空気的に一人はアレだった。

たしか博多だるまとかっていうところ。

三日目、9月7日。折角なので最後の温泉を楽しみ、チェックアウト。本当はこの日のうちに熊本方面に出発するつもりだったのだけれど、台風の影響で雨が酷く、断念せざるを得なかった。友人と連絡を取ったところ福岡の友人宅に泊まらせていただけることと相成りまして、ご厚意に甘えさせていただき、寛大な処置にマジ感謝。とりあえず友人宅に向かうためコンビニで合羽を買い、原付で2、30分ほどかけて友人宅へ。

しばらくぐだぐだした後に博多へ出て晩ご飯を食べる。もつ鍋を食べようということになり、楽天地という店に行く。いっぱいだと言うことで店頭で待っていると猫を発見。しばらくじゃれあっていると席が空いたそうなので、店に入ってもつ鍋を食らう。食べ方がよく分からなかったけれど結果的に美味しかったのはすごいと思います。そしてラーメンを食べようと言うことで、しばらく迷った挙げ句博多一幸舎という店に行く。前日のラーメンよりも豚骨感が強い気がしたが、たまにはこういうのもいいなぁと思いました。

もつ鍋は俺のだからごめんな >arl

しかしGPSロガーがあると店名とかメモしなくてもいいからマジ便利。

そして四日目。この日も朝から昼にかけて雨。夜になったら雨は止み、この日のうちに出発しようか迷ったが結局泊まらせて貰うことに。優柔不断は直したいものである。

家主様のマイブームであらせられるということでスープカレーを食べに行ったり、天神のだらけやメロブに行ったり、ゲーセンに行ったりしたような気がするけれど、GPSロガーのスイッチを入れ忘れるというポカミスをやらかしてしまい、あまり詳しくは思い出せない。東京に戻った頃、この時の影響でスープカレーに嵌るんだけれど、それはまた、別の話。

写真もこのスープカレーしか撮っていないようなのでサイズを大きくして強調してみましたよ! よ!

五日目、この日が最終日。

朝9時には友人宅を出発し、少し迷いつつも国道3号線へ。この時点では高知まで帰るかどうかは未定だったものの、とりあえず熊本方面へ。基山町から佐賀県に入った頃、天候にも恵まれて気持ちよく走っていると自衛隊車両に前後を挟まれる。生まれてこの方自衛隊車両なんて見たことがなかったので、すわ一大事か! と身構えたものの、どうやら近くにある駐屯地に向かっていただけのようで。なんとなくついて行きたかったけれど、今日中に阿蘇山に向かうため先を急ぎたいのでそのまま3号線を南下。今思うと鳥栖ジャンクションも近くにあったようだし見てきてもよかったかもしれない。

しばらく走ると熊本県に入り、さらに進むと周りは山に。高知県人としてはこの雰囲気は心地いい。道の駅があったのでそこで土産をいくつかと朝ご飯のおにぎりなんかを買い、腹を満たした。

熊本市街に到着したのは午後2時頃。昼ご飯を取ろうと、熊本ラーメンの店を探す。実に今回四回目のラーメンである。そして行ったのは大将軍というラーメン屋。一枚二枚なら叉焼も美味しいんだけど、五枚も六枚もあると気持ち悪くなる生態なので微妙に気持ち悪くなったりしたが、ラーメンも叉焼も美味しかったのでなかなかに満足。

叉焼が多いのは苦手なのに焼き豚ラーメンを頼んだという馬鹿です! 私が馬鹿です!

そして目指すは阿蘇山国道57号で大分方面へ。午後4時くらいには周りがそれっぽくなり、なかなか素敵な風景と空気を楽しむ。カルデラを周回する道の南側から阿蘇パノラマラインに入り、さらに山道に。本当はここらで一泊して翌日も阿蘇山を観光するつもりだったけれど、この時点でまだ時間がありそうだったのでそのまま高知へ帰ることに。4時53分に最高度の1018mを記録し、後は下ったり上ったり、道をひた走る。道の駅でソフトクリームを食べるつもりだったのだけれど、すんでのところで売り切れ。裏切られた気持ちでお土産を買い、大分方面に山を下りる。

しかし阿蘇山すばらしかった。

四国からフェリーならわりと近いしまた行きたいものだ。

そして山を下りて国道197号線国道フェリーのある道へ。午後9時発の便を目指していたのだけれど、到着したのは9時2分。目の前で出航という二度連続目の前でかなり惜しいことをしてしまう。仕方なく事務所に入って手続きだけは済ませ、待合室でテレビを見て過ごすといつのまにか出航時間。日記に書くことがないのはこんな時間の使い方をするからだろうと今思った。

フェリーの中にスクーターを停めて客室に移動し、寝そべっていたがフェリーの音で五月蠅くて寝られそうにない。船内をうろうろしているとよさげな場所があったのでそこで一人うとうと。そうしているうちにフェリーが四国に到着。その時点でもう午後11時は過ぎており、当日中に帰ることが出来ないことは分かっていたが帰路を急ぐ。197号線から八幡浜に行き、56号線へ大洲へ。さらに379、380号線で33号線へと進み、後は33号線を高知方面へ進んで32号線からごにょごにょ行って自宅へと帰還。380号線はなかなか狭い道で、暗くてよく見えなかったけれど景色も好きそうな道だったのでまた行きたい。高知市内に帰ってきた頃には早朝5時で、既にうっすらと夜が明けかけていた。

というわけで、今回の軌跡はこんな感じ。

一日目はピンク、二日目はオレンジ、五日目は黄色の線で。

GPSログによると、一日目は373km、二日目は243km、五日目は518kmで合計1134km。もちろん途中フェリーにも乗ったのだけれど、五日目はずっと走り続けたという印象が強い。阿蘇山観光も走りながらだったし、熊本もラーメンを食べただけだった。阿蘇山ロープウェーも乗ってみたかったけれど、それはまた次の機会に持ち越すことにする。

次回行くなら、125ccの原付二種に乗りたい。ここまで疲れた理由の大部分が50ccの原付に乗っていったことではないだろうか。速度制限はまあ、うん、アレだけど、リミッターもかかっているし、煽られても避けることしかできない道では辛いし。さしあたって免許を取るところから始めないと行けないけれど、どうにもお金がない。

とにかく。ほんとに、つかれた。